インタビュー練習

頭で考えていてもできないので、とりあえず旅好きな70代の母親にインタビューしてみる。

最近行った旅は?
➡最近いってないね。

一番最近行った旅は?
➡一年以上前に倉敷に行ったかな。大原美術館とか、倉敷の町並みをみた。

大原美術館では何をみた?
➡覚えていない。

昔の町並みはどうだった?
➡あまりよくなかった。

なんで?
➡選んだところがよくなかった。友人はネットで行きたいところを調べるが、自分はネットをできないからガイドブックやテレビ番組などで紹介しているありきたりのところしか行かない。

なんで調べないのか?
➡ネットもできないし、パソコンもないし。

なんでしないのか?
➡いまさら必要ない。普段の生活でも使わない。

旅では必要とのことだったが?
➡旅では必要だが、ネットで調べてもわかるとは限らない。

なんで調べてもわからないのか?
➡古いからネットを信用していない。

なんでネットを信用しないのか?
➡信用できるのもあるけど、完全には信用できない。宣伝もあるし、広めたい人もいる。疑い深い。通販も信用できない。

ここまできて何を聞けばよいのか分からず、問いかけ終了。
内容を振り返る。

定番のものでは満足できない、旅好きな高齢者。旅を楽しみたいとは考えつつも、それを実行するには最近のテクノロジーを使用する必要があると考えている。
しかし、その裏には自分自身で新しいものを開拓するというわけではなく、信用できる人物から情報を得たいという基本的な欲求がある(と考えた)。

ここからさらにインタビューを深めたいと思ったが、問いかけ自体が自分が作った仮説に基づいたものとなるため断念。

練習のときと違い、漠然とした所からの問いかけは難しい。特に旅で出来なかったことを聞きたいのに「行ってない」なんて言われると話が終わってしまう。さらに色々と聞いていくうちに出来なかったことを聞くと「特にない」なんて…、やはり教わったことは真実だと実感する。
※わざと聞いたのではなく、なかなか出てこないので手詰まりで聞いてしまった。

ただ、「昔の町並みはイマイチ」というところから場の雰囲気というか、本人の話への入り込み具合というか、流れが変わったというのは感じることができた。
浅野先生がそのようなことをおっしゃっていたので、「ここかな?」と思いつつ、なぜなぜで踏み込んで行った。

これでよかったのかはわからない。
しかし、話の流れの変わり目が来るまで待つこと、それが待ち望んでいた変わり目だと判別できること、それを歪めること無く深めることが必要だと感じた。